DNAの情報はなぜ読み取り専用なのか

DNAの情報はなぜ読み取り専用なのか

DNAのデータは何故読取り専用なのか。DNAに情報を記録する装置は自分自身が生成されるデータを記録する手段がないです。DNAに情報を記録する装置そのものの生成データをDNAに情報を書き込むことができず、結果としてDNAは読取り専用になる、というのが一分子生命ビッグバンの考え方です。

索引

  1. DNAは自己複製で承継される
  2. DNAの情報はコピーエラーで変化する
  3. 最初のDNA合成過程が存在する
  4. 試行錯誤の記録機会は1回限り
  5. 酵素連結時録画説
  6. まとめ

DNAは自己複製で承継される

一分子生命ビッグバンでは、地球生命の誕生は、左手L型アミノ酸生成用テンプレート1個を巻き込んで1個の中空体が生成して始まる、と仮定します。

1個から始まるので鏡像体の左手右手は必ず一方に決定されます。環境依存で左手L型アミノ酸の種類は20種程度に決まります。後は左手L型アミノ酸同士が結合すれば酵素が生じます。左手L型アミノ酸同士を結合する酵素が登場すれば、後は酵素が酵素を登場させるので、連鎖反応であらゆる反応系が実施可能になります。

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共通祖先とは何か、が簡単に分かる

共通祖先とは何か、が簡単に分かる

索引 共通祖先とは 分子生物学から見た共通祖先 有機化学から見た共通祖先 論理学から見た共通祖先 食品学から見た共通祖先 まとめ 共通祖先とは 地球の生命体には共通祖先がいる、というのが現在の通説です。 共通祖先とは、地 … 続きを読む

二重らせんの右巻き左巻きが簡単に分かる

索引

  1. 初めに
  2. 二重らせんではなく、ネジの構造で理解する
  3. 右巻きらせんはアルファベットのZで覚える
  4. 右巻きらせんの定義とは?
  5. 右巻き螺旋は左巻き螺旋にはならない
  6. まとめ

初めに

二重らせんの右巻き、左巻きを問われたときに、どちらがどちらであるか即答できるでしょうか。両者を見分けるコツが分かれば螺旋をみた瞬間に、右巻きか左巻きかを答えることができるようになります。それは、右手と左手とを見分ける程度に簡単です。今回はらせんの右巻きと左巻きとを見分ける方法を分かりやすく説明します。

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生命誕生はRNAワールドでは説明できない

索引

  1. 初めに
  2. セントラルドグマはRNAワールドを指向する
  3. タンパク質を合成するリボソームはタンパク質を使ってできている
  4. RNAもDNAもアミノ酸を学習する機能がない
  5. RNAもDNAもアミノ酸の左手と右手を区別できない
  6. まとめ

初めに

生命誕生の一つの説明としてRNAワールド仮説があります。地球に最初にRNAが登場して、そのRNAの働きにより生命が誕生してきた、とする説がRNAワールド仮説であるなら、その説には明らかな矛盾があります。現代においてRNAワールド仮説は取り上げるに足る学説の域には達していないと思われます。

これまで説明してきた通り、生命誕生の有力な仮説の一つに、「一分子生命ビッグバン(Bigbang of Life from One Molecule )」の学説があります。この仮説は、光学活性を持つ自己複製可能な、たった一つの有機分子から地球上のあらゆる生命体が進化したことを仮定します。

地球上の生命体や、生命に関係する全ての物質は、たった一つの有機分子に由来する、というのです。

この仮説を受け入れさえすれば、これまで全く歯が立たなかった生命の不思議な性質を鮮やかに解き明かすことができます。

今回も、一分子生命ビッグバン仮説との対比で、RNAワールド仮説を比較しながら、生命誕生の謎に迫ります。

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一分子生命ビッグバンはセントラルドグマに矛盾するか

一分子生命ビッグバンはセントラルドグマに矛盾するか

索引

  1. 一分子生命ビッグバン仮説はセントラルドグマに矛盾する
  2. 一分子生命ビッグバン仮説もセントラルドグマも両方正しい
  3. なぜ地球にはRNAとDNAの二種類があるのか
  4. 一分子生命ビッグバンのインフレーション期の後は?
  5. まとめ

一分子生命ビッグバン仮説はセントラルドグマに矛盾する

「一分子生命ビッグバン(Bigbang of Life from One Molecule )」の学説は、光学活性を持つ自己複製可能な、たった一つの有機分子から地球上のあらゆる生命体が進化したことを仮定します。

なるほどこの仮定を受け入れると、生命発生の最初の段階でパラメータが厳密に規定されたことになるので、その後地球上で進化を遂げたあらゆる生命体は、このたった一つの有機分子と同じ性質を引き継ぐことになります。

たった一つからスタートしたから、L型とD型の二種類あるはずの光学活性体のうち、現存する全ての生物に使われている現在のアミノ酸のL型につながる絶対構造が選択された。

たった一つからスタートしたから、アミノ酸の種類は20種類程度しかない。一人が着る服は20種類もあれば十分だったから。

たった一つからスタートしたから、自己複製システムはDNA(RNA)システムの一種類しかない。たった一つの有機分子に合わせてこのシステムは設計されたため、二種以上のシステムは必要なかったから。

たった一つからスタートしたから、自己複製に決定的に関与するDNAの二重らせんは右巻きが選ばれた。二重らせんが右巻きである理由は、たった一つの有機分子が持つたった一つの絶対構造に適合させるためであったから。

このようにこれまで解くことのできなかった分子生物学上の様々な難問を次々と撃破していく一分子生命ビッグバン仮説ですが、一分子生命ビッグバン仮説には見過ごすことのできない欠陥があります。

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なぜ一分子から生命は進化したのか

なぜ一分子から生命は進化したのか

索引

  1. 一分子生命ビッグバン仮説の欠陥
  2. なぜ地球上の生命体は二種以上の有機分子から進化できなかったのか
  3. なぜ地球上の生命体は二個以上の有機分子から進化できなかったのか
  4. なぜ一分子生命ビッグバンではたった一つの有機分子しか自己複製ができなかったのか
  5. なぜ一分子生命ビッグバンは地球上で一回しか生じなかったのか
  6. 自然淘汰により現在の生命体系に収斂されたとする説はどうか

一分子生命ビッグバン仮説の欠陥

「一分子生命ビッグバン(Bigbang of Life from One Molecule )」の学説によると、地球に現存する生命の全ては、地球に最初に誕生した、たった一つの有機分子から進化したとされます。

このたった一つの有機分子は自己複製機能を有していました。

たった一つの有機分子から地球上の全ての生命は進化したから、理論上あったはずの多様性の要素が生命発生のスタート時点で全て排除されたと考えるのが一分子生命ビッグバン仮説です。

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生命発生のメカニズムを一分子生命ビッグバン仮説はどのように説明するのか

初めに

地球上のあらゆる生命は、たった一つの自己複製可能な光学活性である有機分子から進化しました。地球上に生命をもたらしたたった一つの分子の登場前に、実はこの分子を地球上に初めて送り出した代謝テンプレートが存在します。この代謝テンプレートに焦点をあて、地球に初めて生命が発生したプロセスとメカニズムを解説します。

索引

(1)地球に生命が発生する前の下準備

ニワトリが先か、タマゴが先か

この地球の全ての生命体は、たった一つの自己複製可能な光学活性である有機分子から進化したと主張するのが一分子生命ビッグバン仮説です。

この仮説を受け入れるだけで、これまで謎であるとされてきた生物学上の様々な難問に簡単に答えることができます。

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生物に使われるタンパク質が全て生体由来である理由

索引

  1. 生体内のタンパク質は生体内で合成されたものに限られる
  2. タンパク質の構造は考えられないくらいに高度に制御されている
  3. 地球にもともとあったタンパク質は生命発生に関与していない

生体内のタンパク質は生体内で合成されたものに限られる

生体内のタンパク質は、なぜ生体外で合成されたタンパク質とは異なるのか

生命の進化の本を読んでいると、生命が誕生する以前にタンパク質が自然界で偶然合成されて、そのタンパク質を利用して生命が発生、進化したとの説が出てくる場合があります。

しかし、生命が地球に誕生した際に、先にタンパク質が存在して、それが生命発生に役立だったという事実はないです。

仮にアミノ酸が多数ペプチド結合したものをタンパク質と呼ぶなら、そのようなタンパク質が、もしかしたら地球における生命発生以前に存在した可能性は、私も否定しません。

けれども生体以外で自然生成されたタンパク質は生体のエネルギー源になるか、または代謝用の原料となることはあっても、それがそのまま生体の体に組み込まれる事実はありません。

現時点で生存する生命体に観測されないし、もしくは過去に存在していた生命体においても確認されないです。

なぜそんな結果になるかというと、生体内で産生されるタンパク質は、偶然では片付けることができないほど完全に規格化されているからです。

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パンスペルミア仮説から卒業しよう

索引

  1. パンスペルミア仮説とは何か
  2. 生命の種が宇宙空間で分解しない謎
  3. 地球突入時に生命の種が分解しない謎
  4. 生命の種の性質が尋常ではない謎
  5. 宇宙船外壁に細菌コロニーが発見された事例の評価
  6. パンスペルミア仮説の前提に疑義あり

パンスペルミア仮説とは何か

パンスペルミア仮説とは、生命の種になるものが宇宙のあちらこちらに漂っていることを前提に、宇宙に漂っていた生命の種がたまたま地球に根を下ろした結果、地球上の生命が誕生した、との一つの考え方です。

パンスペルミア仮説は地球外生命発生説として非常にロマンに満ちた説です。

地球でもこんな所に植物が育つなんて、という場面に出会うことがあります。植物の種が遠くから旅してきて、あり得ない場所に偶然運ばれて、そこで根付いて花開く場面。なんとも素敵な場面だと思います。

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生命の起源を宇宙に求めるのは止めませんか

索引

  1. 地球生命の宇宙由来説は誤り
  2. なぜ生命宇宙飛来説を唱える人がでてきたのか
  3. 生命の由来を宇宙に求める理由がない

地球生命の宇宙由来説は誤り

地球で初めて生命が誕生したのは今から約40億年前ですが、地球における生命発祥は宇宙からきた生命により生じたとの説を唱える学者が後を絶ちません。

強く警告しておきますが、この生命宇宙飛来説はそう遠くない将来に一掃されると思います。

地球上でどのように生命が最初に誕生したのかよく分からない。どれだけ調べても分からない。

だから、生命はきっと宇宙からきたのだろう。

これがおそらく生命が宇宙から地球に飛来したと主張する方の基本骨格でしょう。

地球外からきた隕石が地球のあちらこちらで発見されていて、その隕石の中にアミノ酸などの有機物が発見されたこともあるので、きっと生命の基となるものは宇宙から飛んできたのだろう、ということでしょうか。

けれどもこれは問題のすり替えです。

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