一分子生命ビッグバンとは

索引

  1. 一分子生命ビッグバンとは
  2. 生命の進化の樹形図を逆に辿ると一分子に到達する
  3. 地球上の全ての生命が同じDNAシステムにより自己を複製している理由
  4. DNAの二重螺旋は右巻きしか存在しない理由
  5. 顔のバーツの配置が人間、動物、魚、昆虫で同じ理由

一分子生命ビッグバンとは

「一分子生命ビッグバン(Bigbang of Life from One Molecule )」とは、地球上のあらゆる生命体が、地球に最初に登場したたった一つの分子から進化したとする一つの仮説です。

この仮説を受け入れるだけで、現在謎とされる多くの生命に関する問題を解決することができます。

地球上に最初に生命が誕生したモデルとして、通常は同時多発的に地球上のあちらこちらで生命が誕生したモデルを考えるのではないでしょうか。

この同時多発生命発生モデルの場合、ある系統はそのうち廃れ、またある系統は長い間続いてきたと考えられます。

地球誕生から現在までの歴史の中で、過去に誕生した全ての生命の系統が絶滅したとすれば、現在地球に生命体が残っていることを説明できません。

ですので、「最初に地球上に誕生した生命のうち、少なくとも一系列は現在まで生き残った」、と理解するのが自然のように感じます。

けれども多数の生命体があちらこちらで発生して、それらが切磋琢磨しつつ統廃合を重ねて現在に至ったとすると、現在の生命体の実情とは矛盾するのです。

仮に原初生命が地球で誕生した時、あちらこちらで別系統の生命体がそれぞれ独立して増殖したと仮定します。

この場合、それぞれの別系統の生命体同士は一度も交配・混合されなかったということができます。

なぜなら、交配・混合された証拠が現在全く残存していないからです。

現在観察することのできる、あらゆる生命体は、L体(左手型)のアミノ酸分子のみから形成されています。

アミノ酸にはL体(左手型)のアミノ酸分子と、D体(右手型)のアミノ酸分子とがあります。これらの違いは、右手と左手との関係に似ていて、構造が異なるだけで、分子を構成する原子の種類数も、原子の数も、一分子当たりの重さも全て同じです。

偏光を屈折させる方向が異なるのみで、それ以外の物理的性質は完全に一致します。L体(左手型)のアミノ酸分子と、D体(右手型)のアミノ酸分子とはそれぞれ自然界に50%ずつの割合で存在します。

それにも関わらず、L体(左手型)のアミノ酸分子と、D体(右手型)のアミノ酸分子とを、数学上の確率論的に使用した生命体は発見されていないのです。地球上のありとあらゆる生物はL体(左手型)のアミノ酸分子のみを使用しています。

もちろん例外的にD体(右手型)のアミノ酸分子が生命体に使用される場合はあります。D体(右手型)のアミノ酸分子が使用されるのは、生命体が生命誕生の後、後発的にD体(右手型)のアミノ酸分子を利用するようになったからです。

D体(右手型)のアミノ酸分子を利用する生命体の場合であっても、そのような生命体にD体(右手型)のアミノ酸やD体(右手型)のアミノ酸から構成されるタンパク質だけを食料として与えた場合には、この生命体は生命を維持することができないです。

このように、現存する生命体は信じられないくらいに体の構成成分が一方に偏っています。

過去において別系統の生命体が複数発生したとしたなら、いくばくかの割合で、L体(左手型)のアミノ酸分子を使う生命体と、D体(右手型)のアミノ酸分子を使う生命体が一定割合で混合して現在でも存在していることでしょう。

ところがこのような事実は全く観測できないのです。

L体(左手型)のアミノ酸分子がなければ生命を維持できない生命体は人類だけではありません。地球上のあらゆる生命体がL体(左手型)のアミノ酸分子がなければ生命を維持できないのです(*)。

*注)微生物の中にはL体(左手型)のアミノ酸を必要とせず、体内で合成するものがあります。それでも微生物が合成するアミノ酸はL体(左手型)です。L体(左手型)とD体(右手型)のランダム合成ではありません。L体(左手型)のアミノ酸のみを合成するようデータがインプットされています。もちろんそのデータは一分子生命ビッグバンから引き継がれたものとして説明可能なので、矛盾点はありません。

なぜ地球上のありとあらゆる生物がL体(左手型)のアミノ酸分子だけから構成されているのか。

その理由は簡単で、地球上のあらゆる生命体が、自己を複製することのできるたった一つの分子から進化したからです。

「自己を複製することのできるたった一つの分子」とは、自己を複製することのできる分子種の一系列とか、一系統かとかの意味ではありません。文字通り、「たったひとつの分子」から、地球上のあらゆる生命体が進化したのです。

仮に二個以上の分子から地球上の生命体がそれぞれ進化したとすれば、確率論的に一定の割合でL体(左手型)のアミノ酸分子と、D体(右手型)のアミノ酸分子を利用する生命体が検出できるはずです。けれどもそのような生命体は全く検出できないのです。

あらゆる生命体において、例外なく、です。

一分子の自己を複製する分子から地球上の全ての生命体が進化したからこそ、L体(左手型)のアミノ酸分子を使う生命体と、D体(右手型)のアミノ酸分子を使う生命体が混じることはなかった。

これこそが、地球上のあらゆる生命体が「自己を複製することのできるたった一つの分子」から進化したとする根拠です。

生命の進化の樹形図を逆に辿ると一分子に到達する

現在、地球上に現存する生命体の種類は莫大な数に上ります。しかしこれらの生物一つひとつの進化の過程を辿って過去に遡っていくと、ついにはたった一つの分子に行き当たります。

自己を複製することのできる最初のたった一つの分子が、たまたま最初に選んだアミノ酸分子がL体(左手型)だった。

自己を複製することのできる最初のたった一つの分子がだんだん傾いて、左手をついた先にL体(左手型)のアミノ酸分子が一個あった。この左手のアミノ酸分子を使ったから、以降、自己複製の際には左手のアミノ酸分子が使われるようになりました。

自己を複製することのできる最初のたった一つの分子がだんだん傾いて、右手をついた先にD体(右手型)のアミノ酸分子が一個あった場合には、事態は逆になったことでしょう。

現存する全ての生物は右手のアミノ酸を使って生命を維持していたことになったでしょう。

最初に左手のアミノ酸分子を選択したのは偶然でしたが、それ以降、左手のアミノ酸分子のみを使うようになったのは必然です。左手のアミノ酸分子が自己の体の構成要素として組み込まれてしまったため、右手のアミノ酸分子を自己の体の構成要素として取り込むことができなくなってしまったからです。

「生命の進化の樹形図を逆に辿ると一分子に到達する」という説明と、「たった一分子から全ての地球上の生命体は進化した」という説明は「一分子生命ビッグバン仮説」の表裏一体の部分を異なる方向から表したものです。

この一分子生命ビッグバン仮説を受け入れると、これまで謎であった数多くの事象を難なく説明することが可能になります。以下にその証拠を順番に見ていきましょう。

地球上の全ての生命が同じDNAシステムにより自己を複製している理由

地球上の全ての生命が同じDNAシステムにより自己を複製している理由は、地球上の全ての生命体が、たった一つの自己を複製できる分子を起点として進化したため、このたった一つの分子の同じ性質を引き継いでいるからです。

現在の地球上に存在する全ての生物は、高等生物から下等生物に至るまで同じDNAシステムを使用しています。

しかもそのDNAに使用される塩基は、主としてA(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)およびT(チミン)の四種類だけです。

立体構造は極めて複雑ですが、使用されているシステム自体は極めて単純であることにお気づきでしたか?

もし複数の生命体が同時多発的に地球上に発生したとしたなら、現存するDNAシステムとは違うシステムにより自己を複製する生物が地球上にいてもおかしくなかったはずです。

ところが、人間もハエも、ミドリムシも、同じDNAシステムを使って自己を複製しています。

一件全く異なると考えられる生命体同士が同じDNAシステムを使っているのは、地球上の全ての生命体が、たった一つの自己を複製できる分子を起点として進化したため、このたった一つの分子の同じ性質を引き継いでいるからです。

DNAの二重螺旋は右巻きしか存在しない理由

ちなみに、一分子生命ビッグバン仮説を受け入れるとDNAの二重螺旋は右巻きしか存在しないことも簡単に理解することができます。

数学的な確率論によれば、DNAの二重螺旋は右巻きと左巻きのそれぞれが50%ずつ存在してもおかしくないはずです。

理論上は、どちらであっても(構成する分子の右手と左手の関係を間違えさえしなければ)、きちんとその機能を発揮するからです。

それにも関わらずDNAの二重螺旋に右巻きのものしか存在しないのは、地球上の全ての生命体が、たった一つの自己を複製できる分子を起点として進化したため、このたった一つの分子の同じ性質を引き継いでいるからです。

顔のバーツの配置が人間、動物、魚、昆虫で同じ理由

目、鼻、口等の顔のパーツの配置が、人間、動物、魚、昆虫等で同じ理由も明かでしょう。

顔のバーツの配置が生物のカテゴリーを越えて一致する理由は、地球上の全ての生命体が、たった一つの自己を複製できる分子を起点として進化したため、このたった一つの分子の同じ性質を引き継いでいるからです。

人類みな兄弟、との枠を越えて、地球上の生命体はみんな兄弟、というわけです。似ていないはずがありません。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘

03-6667-0247

Written by

日本弁理士会所属。ファーイースト国際特許事務所のオーナー弁理士。商標出願件数8年連続・上位5位以内のたった一つの特許事務所。大阪大学大学院理学研究科修了。フジテレビ(とくダネ!)、テレビ東京(WBS)等出演多数。著書「社長、商標登録はお済みですか?」(ダイヤモンド社)も好評発売中。

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