生命の進化の過程を逆に辿ると、どこに行き着くのかが分かる

索引

  1. 進化の過程を逆に辿ると、どこに行き着くのか
  2. 地球における生命進化の樹形図は一本に限定される
  3. 地球における生命発生の理論的説明が難しい理由

進化の過程を逆に辿ると、どこに行き着くのか

およそ46億年前に地球が誕生しました。そして約40億年前に生命が地球上で誕生したと考えられています。

そして約40億年という途方もない時間を経て、多様な進化により現在の生態系ができあがりました。

進化の過程は緑が被い繁る一本の木に例えることができます。模式的に表現すると樹形図になります。

人間はもちろん、犬も猫も、クマもキリンも、イルカもクジラも、マグロもイワシも、植物も昆虫も、体内に細胞を持っていて、同じDNAシステムにより自己複製を行って生命を次の世代に伝えています。

ただ、この地球上の進化の過程で見られる生命進化の樹形図には大きな特徴があります。偶然にしてはできすぎている特徴です。

生命進化の樹形図を過去に向かって逆に辿りながら、生命進化の根源に迫ることにしましょう。

地球における生命進化の樹形図は一本に限定される

地球における生命進化の樹形図の不思議な特徴

地球上で生命は進化してきましたが、地球の生命進化の樹形図は一本だけしかありません。直感的には地球の生命進化の樹形図は一本だけに限定される理由がないように思われます。

最初の生命の発生の状態に関しては、同時多発的か、または時間軸を変えて多発的に生命が発生し、それぞれの系統が切磋琢磨しあいながら進化してきた。こう考えると複数の生命進化の樹形図が存在することになります。

ところが多発的に生命が発生して、それぞれの系統が現在まで連綿と続いていると仮定した場合、見つかるはずの証拠である「複数の進化の樹形図」に該当するものが見つからないのです。

先に示した「犬も猫も、クマもキリンも、イルカもクジラも、マグロもイワシも、植物も昆虫も、体内に細胞を持っていて、同じDNAシステムにより自己複製を行って生命を次の世代に伝えている」、という事実はとても意味深いです。

地球上の生命体は、一つのアミノ酸分子にある二種類の左手、右手の光学活性体のうち、左手のL体だけで構成されていること、同じDNAシステムを用いて、D型(右巻き)だけのDNAにより自己を複製していること等から、同じ一本の進化の樹形図に属しているのは明かです。

仮に、地球のあちらこちらで自己を複製できる生命体が多発的に発生したと仮定して、それぞれが独立に進化したとすると、現在の地球上の生命体が左手のL体だけのアミノ酸分子を使っていること、D型(右巻き)だけのDNAを使って自己複製をしていることの説明が困難です。

地球上に現存する生命体が、自己複製のメカニズムにおいて、動物植物を問わず、下等生物から高等生物まで全くといってよいほど同じシステムを備えているのは不自然だと思いませんか。

進化の過程において数学的な確率論が入り込む余地があったとしたなら、一つのアミノ酸分子にある二種類の左手、右手の光学活性体のうち左手のL体だけを採用する理由はなかったはずですし、D型(右巻き)だけのDNAを使う理由もなかったはずです。

右手のD体のアミノ酸分子を使用する生命体が一定の割合で存在してもよいはずですし、L型(左巻き)のDNAシステムを使用する生命体が一定の割合で存在してもよいはずだと思います。

ところがこのような生命体は地球上には存在しないです。

地球上に現存する生命体は、確率論的に50%ずつ存在するはずのシステムのうち、純粋に一方だけを選び取っています。この点があまりにも不自然すぎる、ということです。

もちろん、一部にはD体のアミノ酸分子を使用する生命体やL型(左巻き)のDNAは存在します。けれどもこれらの生物は、D体のアミノ酸分子のみでは生命を維持できませんし、L型(左巻き)のDNAを使って自己を複製している生命体はないと言っても過言ではないです。

もし仮に多発的に地球上に生命が発生したとしたら見つかるはずの生命体が見つからないのです。

この点から地球の生命進化の樹形図は一本だけしか存在しないと考えるのが「一分子生命進化ビッグバン論」の立場です。

現存する地球上の生命体が採用している、L体のアミノ酸分子とD型(右巻き)のDNAシステムを使用する生命体をA群としましょう。現在の地球上では観測されないD体のアミノ酸分子とL型(左巻き)のDNAシステムを使用する生命体をB群としましょう。

もし仮に多発的に地球上に生命が発生したとしたら、必ずB群に属する生命体が地球上で確認できるはずです。ところがこれが見つからない。

ちなみにA群に属する生命体と、B群に属する生命体とは種類(人間なら人間、ハエならハエと言った意味での種類です。)が同じであれば、その性質は一致します。外見だけでは両者を区別する手段はないです。

A群に属する生命体と、B群に属する生命体が一定割合で存在する進化モデルの場合、一方が他方に吸収統合されることを理論的に説明することが極めて困難です。

A群に属する生命体と、B群に属する生命体は互いに等価だからです。

A群に属する生命体が、B群に属する生命体に吸収統合されるポテンシャルと、B群に属する生命体が、A群に属する生命体に吸収統合されるポテンシャルとは全く同じです。ですので、一方が他方に吸収統合されるメカニズムを理論的に説明することは極めて困難です。

仮に過去のいずれかの時点でA群に属する生命体と、B群に属する生命体が一定割合で存在したとしたなら、現時点において、その痕跡が現存する地球上の生命体に見つかるはずです。

ところがそんな事実は見つからない。

その理由は簡単ですね。最初からB群に属する生命体など、存在しなかったのです。

進化の過程を逆に辿ると、一つの分子に辿り着く

進化の過程を逆に辿っていったとして、最初の源泉に辿り着いたとします。

もしこの源泉が複数あっととしたなら、その後の進化の過程において確率論的にA群に属する生命体と、B群に属する生命体が一定割合で混在した生命体の痕跡が何らかの形で見つかるはずです。

ところが一切そのような証拠は見つからない。

B群に属する生命体の痕跡が全く発見できないのは、我々を含む地球上のあらゆる生命体の進化の樹形図の中に、B群に属する生命体が全く含まれていない、ということを意味します。

つまり、地球上の生命体の進化の過程を逆に辿ると、最終的にはたった一つの分子に辿り着く、ということです。

このたった一つの分子は光学活性体でした。そしてA群に属するアミノ酸分子を使って自己を複製することができました。

この段階の自己を複製する、との意味は、複製前の自己と同じ構造の分子をコピーして生成する、ということです。

自己を複製することのできるたった一つの分子が、最初に自己を複製するときに選択したアミノ酸分子が、左手のL体だった、ということです。

別に自己を複製することのできるたった一つの分子が、最初に自己を複製するときに選択するアミノ酸分子は右手のD体であってもよかったのです。

ただ、最初の一回、この選択だけが偶然でした。

偶然とはいえ、最初に自己を複製するときに選択したアミノ酸分子が、左手のL体だった場合には、自己と同一のコピーを使うためには、以降、左手のL体のアミノ酸分子を使う以外に方法がありません。

*二回目以降の複製において、右手のD体のアミノ酸分子を選択すると、それは複製前の自己の構造とは異なるため、自己を複製したくてもできないからです。

つまり、最初の一回のアミノ酸分子の選択のみが偶然であって、それ以降ほぼ無限といえる程度に続く地球生物上の進化の過程におけるアミノ酸分子選択は、必然となりました。

現存する生命体が、二種類ある光学活性体のうち厳密に一種類の光学活性体を使用している理由は、進化の過程を逆に辿って行き着いた一つの分子から進化してきた事実に依存します。

つまり最初の一分子の光学活性に関する性質を、それ以降に誕生した生命体は全て引き継いでいる、ということです。

地球における生命発生の理論的説明が難しい理由

進化の過程を逆に辿ると、たった一つの分子に辿り着きます。

この事実こそが、これまで地球における生命発生の理論的説明を難しくしてきた理由です。

地球上のあらゆる生物は、たった一つの分子を生命の起源として進化してきました。この事実の裏をかえせば、たった一つの分子に生命進化を託さなければならないほど、進化の過程は、考えられないほどの偶然の産物であったということです。

たった一つの自己を複製できる分子だけによって、生命は進化を遂げることができたからです。

このたったひとつの自己を複製できる分子以外では、地球上では生命は進化を遂げることができませんでした。地球上には分子の数はほぼ無限といってよいほどありますが、その中のたった一つの分子に依存しなければならないほど、地球上の生命の進化は危ういものでした。

これほどのレアケースを事前に予測することなど、到底不可能なほどの数学的確率です。

ただ、最初の一個の分子が誕生さえすれば、以降は爆発的な進化の過程が始まります。この現象は火事に似ています。

最初に火がつかなければ火事は起こりませんが、一度火がつくと盛んに燃え広がる火事のようです。

最初の一分子誕生こそが、地球上の生命の進化の全ての鍵を握るものです。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘

03-6667-0247

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